睡眠教育の必要性
ねむりのコンシェルジュによるお役立ちラジオ
FM京都【SLEEP CONCIERGE】 2023.2.15放送
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「睡眠教育」の内容と効果について
◆「睡眠教育」とは
皆さんは「睡眠教育」とはどのようなものかご存知でしょうか?
「睡眠教育」とは、睡眠のメカニズムや快眠法などに対する正しい知識を持ち、正しい睡眠の習慣を身につけるための教育のことです。
そもそも睡眠は健康の基本の3本柱の1つであるのに「食」や「運動」に比べてしっかりと習う機会が少ないものでもあります。
”良く寝ましょう”とはいわれても具体的なことには踏み込まれず、子どもは疲れたら寝るだろう…くらいの認識の大人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、睡眠教育の内容と必要性について見ていきたいと思います。
◆「睡眠教育」のタイミング
子どもへの睡眠教育の研究をしている先生によると、学ぶタイミングは早いほどいいとされています。
特に、小学校低学年から高学年への移行期に睡眠・生活習慣が乱れて、
・夜更かし
・授業中の居眠り
・イライラしやすくなる
などが見られるようになるので、小学校3年生~4年生ごろで一度生活を見直す機会として睡眠を勉強すると良いと言われています。
その後は、「中1ギャップ」を最小限に止めるためにも、睡眠不足によるデメリットや、よく寝るためのコツなどを小学校6年生で再確認するのが効果的だそうです。
文科省のHPにある「早寝早起き、朝ごはん運動」のリーフレットは、保護者向けとしても子ども向けとしても大変分かりやすくまとめられています。
小学校の現場では、こういった資料を使ったり、クイズ形式やお芝居形式にして睡眠授業に取り組んでいるようです。
また、睡眠は生活習慣にも関わるものなので、その改善となると保護者の協力も不可欠となります。
そのため、入学説明会や参観日に睡眠授業を行う学校もあります。
最近では、ルーズな子を早く寝かしましょう、とするだけでなく、塾や習い事を頑張るために睡眠を削ってしまう子をセーブするように…という方向の声掛けもされています。
◆「睡眠教育」の効果
睡眠授業の成果はどうなのかというと、授業を受けた後には
「夜更かしが減る」
「授業中の居眠りが減る」
「欠席日数や保健室利用者の減少」
「イライラの軽減」
「学力向上」
などといった非常に良い影響が生まれているようです。
睡眠健康推進機構のウェブサイト「ねむりんねっと」では、訪問型の睡眠講座の活動が行われており、全国の企業や学校からの応募に応えて専門家が出張授業をする、という取り組みも進められています。
興味のある方は、所属の学校や企業内で提案してみてもいいかもしれませんね。
子どもへの睡眠教育は「生きる力」と言えるほど重要なものでもあります。
ついつい疎かにしがちな大人の皆さまも、ぜひ一緒に勉強する機会を設けてみてはいかがでしょうか??