健康づくりのための睡眠ガイドについて
ねむりのコンシェルジュによるお役立ちラジオ
FM京都【SLEEP CONCIERGE】 2024.2.7放送
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健康づくりのための睡眠ガイド2023
厚生労働省が睡眠の専門家達と検討会を重ねて、昨年12月に日本人が適切な睡眠をとるための案が提出されました。
今回は、その「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の一部をご紹介します。
◆2014年の睡眠指針との違い
今回は2014年に発表した「健康づくりのための睡眠指針」からのリニューアル版となります。
前回と大きな違いは、適正な睡眠時間と休養感を得るための生活習慣の推奨事項を、「成人」「こども」「高齢者」と年代別にまとめた点です。
特にこれまで睡眠時間の話題では具体的な数字を挙げてきませんでした。
この理由としては、その人にとって必要な睡眠時間が確保されていればいいのに、
例えば、8時間睡眠だと調子がいい人が多いと聞くと、「8時間眠れていないから病気になるのではないか?」などといった、8時間という数字のみを気にしてしまう人が現れることを懸念していました。
2014年に発表された睡眠指針ですが、その後に日本人の睡眠事情は改善されたのか…という部分が非常に気になりますよね。
実は、残念ながら日本人の睡眠事情は改善されませんでした。
そういったことから、今回は小学生の睡眠時間は9時間~12時間、中高生は8時間~10時間、成人は6時間以上、
そして高齢者は8時間以上にならないこと、としっかりイメージしやすい数字を発表しています。
ちなみにここで話されている成人の睡眠時間が6時間以上という睡眠時間は、“最低でも”という意味合いを込めています。
平日に6時間睡眠をとっていても、休日に「寝だめ」で誤魔化しつつ乗り切っているようでは足りているとは言えません。
これでいい!ではなく、これでは足りない・・・と改善をはかってください。
また高齢者は“8時間以上にならないこと”と明示されていますが、高齢になると寝続けるエネルギーも減ってくるので、
あまりに長く寝床にいると「眠れなかった」と不満を抱えやすくなるための上限の表現となっています。
さらに、起き続けるエネルギーも減っているため、日中に眠くなりやすい場合がありますが、長い昼寝をとってしまうと、
やはり夜の睡眠の妨げになるので、活動的に過ごしてメリハリをつけることをすすめています。
◆睡眠による休養感の重要性
また、ここ数年、重要な項目として注目されている「睡眠による休養感」ですが、休養感とは「目覚めた時に体が休まったな」という感覚のことです。
短い睡眠時間で、かつ休養感が低いと死亡リスクが高まるという調査結果も出ています。
この対策としては、寝る前の「夜食」や「寝酒」を控えること、寝室にスマホを持ち込まず、出来るだけ暗くして寝ることなど、生活習慣の改善が挙げられています。
十分な睡眠は心身の健康だけでなくパフォーマンスにも影響してきますよね。
自分に合った睡眠時間を確保できているか、朝起きた時にしっかり休まったな!という感覚があるか、改めて見直してみてください。
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