睡眠前後の水分補給について
ねむりのコンシェルジュによるお役立ちラジオ
FM京都【SLEEP CONCIERGE】 2024.2.21放送
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寝る前にはコップ1杯の水分補給
「脱水症状」と聞くと「夏」というイメージがありますが、冬は、夏に比べて空気が乾燥し湿度も下がるため、気づかないうちに体から水分が奪われていることがあります。
特にマスクをずっと着けていると、喉の渇きを感じにくく、マスクを取り外すのが面倒で水分補給の回数も減りがちになるようです。
また、これを「かくれ脱水」とも言うそうです。
◆寝る前の水分補給について
水分はとても大事で、食べ物が断たれても3週間ほどもつと言われていますが、水分は3日で生死に関わると言われています。
また記憶力や集中力にも影響があり、イギリスの小学生を対象にした実験では、テスト前にコップ1杯の水分とらせたチームの方が成績が良くなり、特に難問で差がついたという結果もありました。
もちろん睡眠中の水分も大切です。
睡眠中は体を省エネモードにしていくために、汗をかいて体温を下げる必要があり、季節に関わらず水分補給は睡眠にとっても必要です。
トイレ覚醒や寝汗対策として寝る前の水分を控えていらっしゃる方も多いかもしれませんが、水分補給は血液のドロドロ状態を防ぐためにも有効とされています。
しかし、寝ている間に水分をとるのは大変ですので、ふとんに入る前にあらかじめコップ1杯の水分を補給するのがすすめられています。
当然カフェインやアルコール、ジュースなどの糖分を含んだもの、スープなどの塩分の高い飲み物はおすすめできません。
寝る前の水分補給は、水や白湯、麦茶、ノンカフェインのハーブティーなどを取り入れてみてください。
◆寝酒やホットミルクは効果があるの?
夜遅くにお酒を飲む習慣のある方は、ノンアルコールビールへ置き換えてみるのもおすすめです。
ノンアルコールのビールが、なぜオススメかというと、もちろん、アルコールを含まないから!
この理由とは別に、実は、原料のホップや麦芽にはリラックス効果が期待できると言われています。
どうしても寝酒の癖が抜けないという方は、ノンアルコールビールを試してみてもいいかもしれません。
また、よく聞くのが「ホットミルク」。
"寝る前にホットミルクを飲むといい"というこの説は、成分よりも空腹で眠れそうにない場合に、夜食をとるくらいならホットミルクで満足感をプラスしてあげる、このくらいに思っていてください。
あたたかいとリラックスもできそうです。
◆起床後にもコップ1杯の水分補給
さて、今回は寝る前の水分補給についてお話してきましたが、朝起きてすぐ、起床時にもコップ一杯の水分をぜひ取り入れてください。
乾燥する冬の季節は、部屋の中もカラカラに乾燥していることがあります。
知らぬ間に体から水分が奪われる要因にもなりますので、寝室の湿度を保つことも意識してみてください。
特に寝ている間に口が開いてしまっている人は、喉を守ることにも繫がります。
寝室の理想の湿度は通年50%前後ですので、温湿度計でチェックするといいですね。
昔から枕元において眠る前にのむ1杯の水は「宝水(たからみず)」と呼ばれていました。
水分補給の大切さは経験的に知られていたということですね。
当然、何事もやりすぎは禁物です。
無害そうな水でも一度に飲み過ぎると中毒を起こすこともあるので、1日を通してこまめにとるようにしてみてください。
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