夏休み中の過ごし方
ねむりのコンシェルジュによるお役立ちラジオ
FM京都【SLEEP CONCIERGE】 2023.7.19放送
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夏休み中の睡眠について
夏休みが始まりましたね。
自由な時間が増えることでできるのが、「好きな時間に寝て、起きて」。
二度寝の幸せを感じられる貴重な時間ですが、欲望のままにしていると、睡眠にとってはよくない現象が起きていきます。
ブログ内でも度々触れていますが、そもそも私たち人間の体内時計というものは、24時間より少し長いため、夜更かしからの朝寝坊・・・と、こういうスタイルになりやすいのです。
◆休日の睡眠時間にご注意
お休みの日に、いつもよりたっぷり寝ました!となるとスッキリしますが、そのズレが休み明けになっても戻せず、
朝起きたいのに起きられない・・・、無理に起きてしんどい・・・といった現象が起こります。
これで社会活動が困難になると「概日リズム障害」といいます。
この「概日リズム障害」は、特に若い世代に多くみられる病気のため、注意が必要だと言われています。
◆体内時計の調整方法
<朝~昼間>
・朝の光を浴びる
・食事の時間を一定にする
・日中は予定を入れる
<夜>
明るい光を抑える
こういったことで、体内と社会の時計をすり合わせるなどをして、お休みの日も活動的に過ごすことを意識して過ごしてみてください。
この方法は、時差のあるような海外へ行った時の時差ぼけにも取り入れられる方法だったりします。
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夏休みの自由研究の課題案
話は変わりますが、睡眠分野は未だに研究中のものもあり、まだまだお伝えできていないこともたくさんあります。
睡眠は個人によっても変わるので、例えば、夏休みの自由研究の課題に「睡眠」をテーマにしてみてもいいのではないでしょうか?
一人一人睡眠のスタイルや体質は異なるので、調べてみると自分の睡眠にもプラスになりそうです!
参考になるのは、文部科学省の「早寝早起き朝ごはん国民運動の推進について」というサイトです。
このサイトでは、子ども向けにもわかりやすく掲載されています。
さらに詳しく勉強するのであれば、厚生労働省の「睡眠指針2014」。
この解説資料も参考になります。
◆調査項目の例
例えば、このような項目で調べてみるのはいかがでしょうか?
・「自分の生活リズムを知る」
この項目では活動と休息のリズムを、アプリなどを使って生体情報を記録したり、睡眠日誌に書き込むなど見える化してみる。
・「人と比べてみる」
家族や親戚・近所の人など様々な年代の人に聞き取り、睡眠時間と散布図を書いてみる。
・「睡眠に影響すると言われているものを試す」
例えば、”夜に電子機器の使用をやめる”、”旅行先やキャンプといった環境の変化を体験する”、”夜にわざとカフェインをとってみる”などを実際に試して、どんな影響があったかを記録する。
・「枕を手づくりしてみる」
枕の歴史や素材としてよく使われるものを調べて、身近なものでも作ってみる。
例えば、乾燥させた梅干しの種や古くなったタオルの再利用など、もちろん合う合わないが出てくるので、昼寝などで試してみるといいかもしれません。
◆注意すべき研究
睡眠の独自の研究も面白そうですよね♪
ただ、夏休み、時間がたくさんあるからといっても絶対にやってはいけない研究があります。
それが「断眠実験」。眠りを断つと書いて、「断眠実験」です。
「眠らない=徹夜」
これは子どもにとってはかなり大きなダメージとなります。
人間らしさを司る脳の前頭葉の発達は大人になるまで続くものなので、それには十分な睡眠が必須となります。
多少の夜更かし程度であれば、翌日眠くなったとしても昼寝で補えますが、経験としてだるさや頭の働かなさを学習する機会になるかもしれません。
しかし、「断眠実験」だけは試さないようにしてください。
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「睡眠」という行為は毎日みんなが行っていることなので、蔑ろにされやすいですが、関心を寄せてみると面白い発見がたくさんあり、大事にしようと思えるものです。
「睡眠」を大事にしてみると生活にも良い変化がみられますよ!
この機会に睡眠について考えてるのはいかがでしょう。